試用機種の液晶画面はフルHDの1920×1080ピクセル。これで13.1インチワイドなのだから、その緻密さたるや、もうWindows7である限り、これ以上は必要のないレベルである。というのも、Windows7は画面周りが必ずしもスケーラブルではなくて、解像度が高いと字が細くなったり操作しにくくなる箇所が少なからず出てくるためだ。
VAIO Zに用意されている液晶はフルHDパネルでなくとも充分緻密なので、あえてフルHDパネルを選ばなくてもいいような気がする。ただ、13.1インチのフルHDパネルに慣れてしまうと、他の液晶パネルが大味に見えるのも事実。戻れない橋を渡るかどうか悩むところだ。
さて、今回の本題、ブルーレイディスクドライブである。本機は注文時に光学ドライブにDVDマルチドライブかBDマルチドライブかを選択することができるが、いずれの光学ドライブを選ぶ場合でもHDDは同時に選択できない。光学ドライブ選択時はメインストレージは必ずSSDを選択することになる。DVDドライブとBDドライブの価格差は5万円と、なかなか高価である。
しかし現時点では単体のポータブルBDプレイヤーでも5万円以上はしてしまうので、BDが13インチ画面で鑑賞できるプレーヤー機能が付属と考えればオプション5万円でも納得できる。ましてや書き込みもできるドライブなので、その点ではポータブルBDプレーヤーよりコストパフォーマンスは高い。
現在の技術水準では、ドライブに光ピックアップが2つ搭載されているのがBDマルチドライブの目印である。しかし搭載されている光学ドライブの種類はどこにもロゴ表記されておらず、外観上解りにくい。大枚をはたいて自分で注文したものはさすがに覚えていると思うが、購入者以外が使う場合はやや不便を感じることがあるだろう。
先般発売になった「ガンダムUC」のブルーレイディスク版を鑑賞してみる。先ほど必ずしもフルHDパネルは必要ないと書いたが、ブルーレイ鑑賞時のピクセル等倍(または等倍に近い状態)の気持ちよさはやはりフルHDならではである。BDの高ビットレートと相まって、近距離で見てもアラが見えない。
ただ、映像のクオリティが高い一方で、内蔵スピーカー、特に低音の出方は割り切ったようだ。左右の2ユニットを搭載しておりステレオなのだが、映像作品をチェックするのならともかく鑑賞するのであれば、ヘッドホンまたは外部スピーカーは必須と言える。ノイズキャンセリングヘッドホンもBTOで用意されている。
外付けスピーカーとしては金属の固まりという共通項で「BOSE M2」あたりが似合いそうな気がするが、アナログ接続になってしまうため本機の手前側にあるヘッドホン端子を使うことになり、常設する置き場所での収まりがあまり宜しくない。USB接続のスピーカーであれば側面に接続できるし、ポートリプリケーターVGP-PRZ10を使えば後面接続でき、なおかつ外出時にいちいち線を抜く手間を省くことができるが、なかなかいい製品がない。悩ましい。
BD再生中のCPUの負荷は鼻歌交じり程度、10~30%と言ったところである。さすがCore i7。
手元で観るブルーレイも不思議な没入感がある。自分の部屋でのパーソナルな再生環境として、また出張時の時間つぶしに最適である。
先に述べたように、このBDドライブはBD-R/REディスクへの書き込みにも対応している。書き込みを活用したレビューはまた別の機会に譲る。
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