iPhone 4 ハードウエア・レビュー

iPhone 4のハードウエアレビューをようやく書いてみる。なかなか書かなかったのは、入手した直後はその変貌ぶりが手放しで喜べなかったためだ。だが、5日間使ってみて、その良さが感じられるようになってきたので、書く気になった次第。ただ既にあちこちでレビューされているハードウエアであり、ある程度内容が重複してしまうのはご容赦願いたい。

iPhone 4

iPhone 3G/3GSから持ち替えてみると、見た目で予想できるとおり、筐体の角が掌に当たってゴツゴツする。iPhone 3G/3GSが掌に吸い付くようなデザインだったのでなおさらだ。

しかし背面部が丸まった従来のデザインは内部の実装効率が悪く、同等以上のパーツを実装してより薄型化を目指すのであれば、角ばったデザインへの転身はやむを得ないところ。

掌に吸い付く感触を犠牲にて得たものは、従来比で-3mm(24%減)の薄さ。-3mmって大したことないように見えて、並べてみると結構違う。3GSと比較して笑っちゃうような薄さだ。この薄さの前では掌に角が感じられるデザインも受け入れざるを得ないのかも知れない。

角張ったデザインはまた、液晶の大きさを犠牲にすることなく全幅の短縮にも役立っている。これは手の小さな女性を意識したのではないかとも噂されているが、確かにそうかも知れない。他国ではどうか解らないが、少なくとも近年、日本でのiPhoneの女性への普及率は目を見張るものがある。統計を取らなくても、街の電車に乗れば一目瞭然だ。ほんの少しスリムになったiPhoneは、こっちの方が持ちやすいと感じる方もいるだろう。

iPhone 4

ボディ側面を一周しているメタルパーツは既に公知の通り通信アンテナの役割を果たし、周波数帯によって機能を分けるため3箇所の切れ目があるが、ここには明確なくぼみがあるわけではない。撫でれば指先に不連続であることを感じるが、何かが引っかかるようなほどの凹凸はない。

このメタルパーツに触れるとアンテナ感度が低下するという話があるが、これは本当にその通りで、持ち方によってはアンテナが5本表示だったのが2本に減ったりする。メタルパーツへの接触に関係なく、ボディの特定の部分を覆ったりするだけでも感度が下がるという話もある。しかし同じアンテナ5本表示でも、充分な強電界環境にいる場合にはどういう持ち方をしても5本表示のままだ。

メタルパーツはマット加工がされており、指紋が目立たないようになっている。液晶表面は前モデルから耐指紋コートがされていが、今回は背面にも耐指紋コートがされていると聞いており、結果、全身指紋が付きにくいボディになっている。

iPhone 4

背面のiPhoneロゴの下からは「32GB」などの容量表示が削除された。製造ラインでの誤装着防止、部品共通化によるコストダウンの意味合いもあるだろう。

iPhone 4

500万画素化された裏面照射CMOSのカメラはハイビジョン動画も撮れるが、その際は画角が中央切り出しとなるようで、撮影範囲が狭くなる。普通のビデオカメラのようにCMOSの全画素読み出しをすると色々(排熱とか)処理が大変なので、割り切ったものと思われる。なお撮影できるハイビジョン動画は720pで、画素数は1280×720の約92万画素である。

カメラにはLEDフラッシュが付いているが、動画撮影時には連続点灯させることができ、ビデオライトの代わりになる。ただLEDライトを点灯させながらの動画撮影はけっこうバッテリーを消費するようで、試したところ1分の撮影で10%近くバッテリーが消耗した。なお、手ブレ補正機能は搭載されていない。

iPhone 4

液晶画面は今回の見所の1つだが、解像度が高くなったのは勿論だが、映像がガラス表面に浮き上がって見えるのが新しい。一部のデジカメなどもそうなのだが、近年、液晶とガラスの間に工学的な弾性材を挟む技術が流行?しており、それを実装すると映像が表面に浮いて見えるのかも知れない。

液晶画面は購入当初かなり黄緑っぽく感じられたが、時間の経過と共に自然な発色になってきた。但し例の黄色いシミは、時間が経ってもあまり変わった気がしない。ただ私の個体の場合、クレームを付けて交換して貰うほどのシミでもないと思っている。

iPhone 4

マイクロSIMカードのトレイは側面にあり、トレイもステンレスのような素材でできている。取り出し、挿入とも結構堅く、頻繁に抜き差しするようにはできていなさそうだ。

さて、私にはジワジワとその良さが感じられてきたiPhone 4だが、全身に指紋が付きにくい加工がされていることもあり、今回も3GSに続いて裸運用しようかと思っている。デザイナーが考え抜いたものを、カバーで覆ってしまうのは勿体ない気がするためだ。iPhone4は決して安くはないし、多少のキズも付くだろうが、大事なものこそ毎日裸で使い倒してそのマテリアル感を堪能したいと思っている。


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コメント

  1. しろとら より:

    MacBoookなど面取りをほとんどしないので、柔らかい手や指に痛みを覚えたりする角の処理が、Appleのデザイン言語として定着してしまっているのは、少し残念です。

    冬あたりには、フェイクファーのバンパーカバーが出てきそうですね。ww

    学生時代、「強、用、美」という言葉を教わりました。
    Appleには、精密機械であるので難しいですが、G-Shockとはいはなくても、「強度」を持った製品を作ってほしいなと思います。
    強度を担保する為に、CFPRを使わず、環境に配慮するのは理解できるのですが。

  2. Kumadigital より:

    残念ですね-。
    貝殻の頃のiBookって今考えるとスゴイ形状でした…

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