EOS 7D Mark II レビュー(1):それは3.9秒間の出来事

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2014/10/30に発売することが決まったEOS 7D Mark IIをお借りしたのでレポートします。



初代EOS 7Dと比較してどこが変わったのか一見解らないデザインですが、むしろ変わってしまうと「今までのは何だったんだ」ということになりかねないので、私は賛成です。変化のための変化を行わなければならないような製品でもないと思いますし。

重量も大きさもEOS 5D Mark IIIより僅かに小さく軽くなっています。持った感じでも解ります。

レンズも一緒に「EF-S18-135 IS STM」をお借りしました。ほとんど無音のオートフォーカスレンズで、USMのような「スッ」という音すらしないので気持ち悪いくらいです(笑。動画撮影にも最適ですが、唯一、ズーム操作だけは手動で僅かに擦れ音がするので、動画撮影時は注意しましょう。



背面。5D3とほぼ同じ操作系を持ちます。液晶モニターは7Dと比べ若干ワイド化されています。



但し、5D3にもないのがこのマルチコントローラーの周りに設置された「測距エリア選択レバー」。一方方向にしか動かせませんが、機能はある程度カスタマイズすることができます。



5D3と同じく、サブ電子ダイヤルの内側には静電式タッチ操作が可能な上下左右ボタンがついています。これは7Dにはなかったですね。動画撮影中の音を立てない設定変更などに役立ちます。



上部液晶の照明は伝統のアンバー色。



動体へのAFアルゴリズムは凝りに凝っていて、細かいパラメーター設定までユーザーに開放されています。こうなってくると「設定をどうしていいか解らない」と途方に暮れてしまうように感じるかも知れませんが、ほとんどのケースでデフォルト設定でOKです。何パターンかプリセットもされているので、その中から選んでもいいでしょう。



APS-Cなのでこういう選択肢もあるかと、EF 16-35mm f/4L IS USMを付けてみました。26mm~56mm相当なので悪くありませんが、ズーム倍率が2倍少々しかないのが標準ズームとしてはちょっとストレスですかね。やはり最初の1本としてはEF-S 18-135mm IS STMがベストマッチだと思います。というか、EF-S 18-135mm IS STMが便利すぎて、ほかのレンズが欲しくなくなるのではという余計な心配もしてしまいます(笑

さて、イメージモンスターはどのくらい刷新されたのでしょうか。とにかく進化した動体予測AFと、秒間10コマに達する連射速度を生かせる被写体は…あまり遠くにも行く時間がないし…ということで、これしかない!とクルマを1時間走らせ、小田原駅で新幹線を撮ってきました。ここは停車しない新幹線が多く、そのため通過速度245km/hとも言われる車体を車体と同じ高さで間近で見ることができるのです。



レンズはEF 70-200mm f/4L IS USM。7D2の方は、AFをAI SERVOにし、ドライブを連射[H]に。AFポイントをやや右寄りにセットします。近づいてくる下りの700系に対し、シャッターを押しっぱなしにしながらひたすら視界に車体を捉えたのがこの結果です。その間、僅か3.9秒。これを全部載せてしまうと39枚掲載することになってブログ読み込み時間が偉いことになりそうなので、ここでは代表して何枚か掲載します。
flickrの方には全部載せてあります



1枚目。



10枚目。
使いこなしのポイントとしては、とにかく連写を切り始めたら、カメラを信じてシャッターを押す指を緩めないこと。緩めると再度AFのシーク動作が入ってピンぼけになるので、一度捉えた被写体を離さないために、とにかく押し続けるのです。もちろん、それなりに高速なメモリーカードは装填しておきましょう。



20枚目。



25枚目。
このあたりから「タイムラグが原理上ゼロ」な光学式ファインダーのメリットが炸裂します。ここから最終カットまであと1.4秒。



30枚目。
あえてフォーカスの追従精度を試すためにブレを生まないよう高速シャッターで切っていますが、実際は先にも述べたとおり、推定245km/hのもの凄い勢いで近づいている車両です。



32枚目。



33枚目。



34枚目



35枚目。
動画から切り出せば秒間30コマでも60コマでも切り出せるのでは?と思うかも知れませんが、やってみると解りますが、動画からの切り出しではほとんどのケースで像が止まりません。その方が動画として見る分には自然だからです。目指すものが違うのです。



36枚目。



37枚目。
光学式ファインダーで何となく画角は押さえられますが、もはや肉眼では像を正確には捉えられない速度に達しています。



38枚目。



39枚目。さすがにこの距離では速すぎてシャッター速度が追いつかないのか、新幹線の風圧に押されたのか、ぶれています。が、ここに至るまでの38枚、数枚は若干の後ピンカットはあるものの、ほとんどのカットがガッツリと新幹線の先頭にフォーカスが食らいついているのが解ると思います。もう、撮り上がった39枚を現地で拡大表示コマ送りチェックして、笑うしかありませんでした。なんだこれは、こいつが EOS 1D Xの半額以下で買えるのか!と。

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