富士登山<感想と反省とアドバイス>

計画を立てていた頃に色々アドバイスくれた職場の大先輩に「上まで登ってこられました。一回登ればもういいです(笑)」と報告したところ、「忘れた頃にまた登りたくなる」と言われました。あれから一週間経ってみて、確かにもう少し全体的に楽しめたら良かったなぁと今更ながら思い始めました。

いままでの人生で「坂道ばかり2日で13時間」も歩いた経験がないので、登って下りるまでどれくらいの運動量なのかやってみるまでは皆目見当が付きません。とにかく「無事に登って下りて、マイカーを運転して家まで帰ること」を最優先の目標にしたため、登山自体を満喫できる余裕がなかったのです。もう1回チャンスがあったらもっと楽しめるのだろうとは思いますが、もう年齢的にムリでしょうね(笑。

でも今更ながら、山の楽しさに少しだけ目覚めてしまった気がします。関東平野の真ん中に生まれて育って、大人になった当初は海に憧れてたまたま就職して住んだところが海の近くばかりだったので海は満喫できたのですが、この歳になって山に心惹かれるとは。

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(犬をあやしているお母さんに見えませんか…?)

以下、実際に登って感じたことを、自分の記録と誰かの役に立つかと思い、記します。

・良い装備は人間の能力の低さをカバーする。靴は足首まできっちりと締まる登山靴を使わないと、あっという間に靴底が劣化したり、側面が破けたり、足首をひねって捻挫の原因になる。ウエアは最近の高機能素材(水着のように体に密着し、伸びる)を使わない手はない。汗を吸ってすぐ放出する。体温の乱高下を防ぎ、パフォーマンスを長時間維持できる。ヨーカドーの1,500円のスポーツアンダーウエアと、専門店に売っている5,000円のアンダーアーマー社のウエアは全然快適度が違った。

・靴下は何種類か試したが、高ければよいというものでもなかった。THE NORTH FACEの1足1,700円のものより、中国のあまり知らないブランドの1足600円の靴下の方が疲労が少なかった。但しいずれにしても登山用の「継ぎ目のない縫製」であることは大事。

・ハイドレーションシステム。要はリュックを背負ったまま曲がるホースで水分補給ができるシステム。これがあると「5分間に1口ずつ」というような水分補給ができ、パフォーマンスの維持に役立つ。

・ペットボトルに直接装着できるハイドレーションシステムを使ったが、使用済みペットボトルの多さには閉口した。山小屋でペットボトル飲料は買えるが、その場で飲みきるものではないため空きボトルを回収してもらえず、下山時にはリュックの1/5くらいは潰した空きペットボトルで埋まってしまった。もしかするとハイドロバッグを持参して、山小屋で買ったその場で中身を持参したバッグに移し変えると空いたペットボトルを回収してもらえるのかもしれない。

・防寒着として手持ちのパタゴニアの羽毛に似た化学繊維が詰まっているジャケットを持っていったが、元々登山用ウエアだったので、コンパクトに畳めてとても助かった。但しご来光を見る際と、夜間トイレに起きた際に少し着た程度の使用頻度で、他は高機能素材の半袖トレーニングウエアか、その上に薄手の長袖のウエアを1枚羽織る程度で充分だった。なお5合目の気温=20度、山頂の気温=5度程度。風があると体感気温が10度下がるらしい。

・但し半袖のウエアというのはちょっと失敗で、日焼けの面で、長袖にしておけば良かったと少し後悔した。長袖にしても高機能素材であればそれほど体感温度は変わりないはず。

・雨カッパのズボンは登山靴を履いたままで脱ぎ着ができるものがよいと感じた。雨降りはじめの岩場で登山靴の着脱は無謀。

・山小屋はとても狭いので、荷物の整理は満足にできない場合がある。

・実は持参した行動食(カロリーメイト、ナッツ、キャラメル、ビスケット)にはほとんど手をつけなかった。途中で食べたのは塩分チャージタブレットと、ツマにもらった一口羊羹くらい。にもかかわらず、エネルギー切れを表す「シャリバテ」という症状がどうなるのか体感できなかった。元々エネルギーを皮下に溜め込んでいる体型なのでシャリバテなんてないのか…?

自覚症状としては、強度の脱力感を伴う疲労感、ふらつき、足がつる、のぼせ、立ちくらみ、頭痛など。

→頭痛以外全部出てるんですが…シャリバテだったのか…?

・下りの砂埃が多いエリアはマスクとサングラスがしたかったのだが、マスクをしたまま息を吐くとサングラスが曇ってしまい実用にならなかった。職場の元クライマーに確認しても、「それは解決方法がない」とのこと。

使用した飲み物の合計です。

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実は下り道の7合目付近で私の分の水分が枯渇してしまい、少しツマに分けて貰いました。山頂で水を1本買っておかなかったのはミスでした。水分消費量は体重に比例し、また、ツマと私の体重差は2倍以上あるので、明らかに私の水分が足りていないことが分かりました。今更。

最後に、費用を総括します。

できるだけ手持ちのものを活用しようとしましたが、やはり山用を謳われているものはそれなりに性能が高いことを痛感しました。

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こんなものです。「購入したが使わなかったもの」は、練習の段階で使用してみて、なんか動きにくいとか、擦れて痛いとか、そういった理由で本番では使わなかったものです。
個々の金額はそれほどでもないのですが(リュックとかストックは安い方だと思います)数があるので結構かかりました。まぁ1回こっきりのものでもなく、防災用品兼ねられるものもあるので、これからも山歩きを趣味にするのであれば少しは減価償却できるでしょうか(言い訳)。もう体力の限界を攻めると言うよりは、岩の少ない、涼しい山を歩いてみたいですね。

   

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