東京オートサロンは改造車の祭典ですが、見るのを楽しみにしていた完成車があります。
新型マツダ3、日本名アクセラです。
特徴的なCピラーのボリューム感は、新しくも既視感のあるもので、C110型スカイライン(1972年、いわゆるケンとメリーのスカイライン)を彷彿とさせます。
そして何よりドア面の凹みと陰影。アウディをはじめとする欧州勢が誇っていたプレスラインの鋭さ競争は、今や日本の軽自動車(ミライースなど)にすらキャッチアップされつつあります。そしてこのマツダ3のドア面。これはもはやプレスラインの先にあるもので、アウディを超えたと言っても差し支えないのではないでしょうか。
奇をてらっているように見えて、後席のドアノブが常識的な位置に付いているのも良心的。
ただし、この陰影は面白いところがあって…
実際に凹んでいるのかと言えば、思ったほど凹んでいないのです。あの陰影は塗料の反射特性の鋭さを最大限に生かした、塗料との合わせ技のデザインであると言えるでしょう。おそらく、今のマツダで言えば「ソウルレッド」および「マシーングレー」色のみ、この陰影を出せるのではないでしょうか。
そしてセダン。
こちらは3ドアほど目を惹くものではなく、とはいえFF車としては異例なほどドライバーズシートを後方に寄せたFR的デザイン。鼻先の長さを除けば、全体的な塊感はCL7型アコード(2002年)にもやや似ています。
ドアの面形状がアウディの先を行っているのに、グリルはモデルチェンジの度に大型化するというアウディの文法を追いかけているのが惜しい。ここでもう一工夫欲しかったところ。
マツダ車はドライバーの運転姿勢(=長距離運転時の疲労軽減)に拘っているのがとても好ましくて、お値段が手頃ならハッチバックの方は次の車の検討対象にしたいと感じました。ムスコには「セダンの方が父ちゃんに似合っている」と言われたのですが、父ちゃんはハッチバックの尻推しが気に入ったので。
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