サイカ先生に「XVのルーフにGoProを取り付けるのはNGなのか」と尋ねられたので、真面目に確認しました。結論から言えば、手で締めるようなネジで一時的に取り付けられたもので、走行中落下の危険がなく、歩行者や自転車に引っかかるような位置でなければOKと思われます。
国土交通省:道路運送車両の保安基準(2021年4月28日現在)
以下、細かく根拠を確認します。
■ボディルーフへの取り付け(条件を満たせばOK)
以下の寸法内に収まっていることが条件です。これは教習所でも習うのでご存じの方も多いかと思います。「制限外積載等許可」が不要になる条件のものです。
・自動車の長さにその長さの10分の1を加えたもの
・自動車の幅以上
・3.8メートルの高さからその自動車の積載する場所の高さを減じたもの
もしこれらを超えても警察署に申請を出せばOKですが、GoProならばこれを超えることはないでしょう。
取り付け方法は一時的な取り付けであることが条件です。手で回せないようなビスで恒久的に取り付けで車高が変わる場合は車検の取り直しが必要ですが、業務用でもなければGoProを恒久的に取り付ける人もいないでしょう。もし取り付けが甘くて落下させた場合、それが高速道路上の場合は道路交通法 第75条の10(自動車の運転者の遵守事項)違反になります。
■ボディ側面、ボンネット上、フロントバンパー、リアバンパー、ガラス外側などへの取り付け(NG)
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2010.3.29】別添20(外装の技術基準)に抵触しますのでNGです。「別添20(外装の技術基準) 3.2. 自動車の外部表面には、外向きに鋭く突起した部分があってはならない。自動車の外部には、衝突時又は接触時に歩行者等に傷害を与えるおそれのある形状、寸法、方向又は硬さを有するいかなる突起を有してはならない」
なおここで言う「突起」とは、「曲率半径が2.5mm未満である突起」を指します。たぶんGoPro本体はともかく、各種マウント類はもう見た感じ曲率半径が2.5mm未満の箇所があちこちにあるのでNGだと思います。
■リアスポイラーへの取り付け(条件を満たせばOK)
最近あまり見ませんが、セリカやインテグラなどによくあったボディ後端に付けるリアスポイラーで、リアスポイラーの上ではなく、リアスポイラーとトランクの間の隙間への取り付けであって、直径100mmの球体が接触しない部分(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2010.3.29】別添20(外装の技術基準))であればOKそうです。自動車メーカー純正のリアビューカメラはこの基準に沿っています。DIYでリアカメラを取り付けた場合には違反しているケースが見受けられますね。
■ボディ下部への取り付け(条件を満たせばOK)
「フロアライン」以下であればOKです。フロアラインとは、「垂直軸と母線のなす角度が30°である円錐を、積載状態にある 自動車の外部表面に、できるだけ低い位置で連続的に接触させたときの自動車の外部表 面と円錐との接点の幾何学的軌跡」を指します。簡単に言えば、30度の斜面に当たらないくらい奥まったボディ下部ならばOKということです。但し、こんな低い位置にGoProを取り付けると、飛び石などでそれなりにダメージを受けると思いますので、何らかのケースは欲しいところです。これも取り付けが甘くて落下させた場合、それが高速道路上の場合は道路交通法 第75条の10(自動車の運転者の遵守事項)違反になります。
以上をまとめると、比較的GoProを乗せやすいのはやはりルーフの上ですね。但し万一の落下に備えた落下防止ワイヤーなども設けた方が良いような気がします。ルーフレールがない車はルーフキャリアを使うのが良いと思いますが、GoPro取り付けのためにルーフキャリアを買うかどうかは悩ましいところです。サクションカップ(吸盤)による取り付けは手軽ですが、原理がボディのデントリペア(凹み補修)と同じなので、下手するとボディが変形してしまう(波打ってしまう)のではないかと恐れて試していません。キャリア部の寸法が合えばGoPro純正の「ハンドルバーシートポストマウント」や「チューブマウント大」が使いやすいかと思います。
ルーフから浮いてないキャリアに取り付ける場合はこれになるでしょうが、バネで挟んでいるだけですので別途ワイヤーなどの落下防止策は欲しいところです。(幅5センチまでのルーフへの取り付けに対応)「ろくろ首」部分は使わないこともできます。
そして最後に必要なのが、カメラの向きを微調整するためのボールジョイントです。
以上、何としてでも車体外側にカメラを取り付ける方法を検討しましたが、最大の問題はGoProをルーフ上に取り付けたところでそんなに面白い絵が撮れないのではないか…ということころですかね(;´Д`) 超広角なのでボディも映り込みますし、イマジネーションが試されるところではないかと思います。
私がよくやるのは、後席窓ガラスを少し開けて、その内側にサクションカップを付けてカメラを外に向ける、ですかね。側面か、やや前方、後方しか撮影できませんし、スピードが上がると風の巻き込みもすごいですし、うっかりパワーウインドウスイッチに触れると大惨事ですが、ルーフレールのない車の場合、これ以上ベストな位置が見つかっていない、というのが本音です。
マグネット式のマウントを使う方法も考えられますが、高温になるルーフでどこまで磁力が維持できるのかは怪しいところです。スキー板を乗せるわけでもないので、Amazonで安いキャリアを買って取り付けるのもいいのかなという気がします。
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