ちょっと思い出しただけ

なんかどこかで予告編を見て、気になってしまい観てきました。

映画「ちょっと思い出しただけ」。

感動の押し売り、誰かの余命があと何年…みたいなのではなく、今は別れてしまった30代の普通の男女が、二人の思い出を「ちょっと思い出しただけ」の映画。タクシードライバーの女はどこかに多様な価値観の別の男と家庭を持ってそれなりに幸せそうだし、怪我で夢破れた男も現実的な人生の落としどころを見つけたところ。そんな二人が思い出す、出会いから別れるまでの時間。

特徴的なのは毎年の彼氏の誕生日の1日だけを6年間分、しかも時間を逆戻して構成されているところ。カレンダーがずっと同じ日なのに、遡っていく時間。それは怪我の具合だったり、髪の長さだったり、二人の関係だったりで「あ、時間が遡ってるんだ」と解るようになっています。

その日常はちっともドラマティックではなく、だからこそ誰でも感情移入できるのではないかと思いました。本当にどこかのカップルの日常を覗き見ているみたいな。ただ、怪我した彼氏に対してはもう少し気持ちを察してやれよ彼女、とは思いました。

昔、主人公の彼に淡い恋心を抱いていたJK(付き合った彼女とは別)が大学生になって、すっかり彼のことなんか忘れた日常を送ってるというエピソードもいいですね。

設定上のツッコミを入れるとすれば、高円寺〜新宿あたりが舞台なのに、バイト先が八景島シーパラかよ!遠すぎるだろ!というところくらいですかね。あとは鼻息の録音がちょっと強すぎるかな。

でもこういう映画、もっと増えてもいいんじゃないかなぁ。ちっともドキドキハラハラしない、何でもない日常が愛おしくなるような、癒やされる映画でした。

 

映画とクロスオーバーしたテーマ曲のPVも面白いですね。この彼女、アニメ「映像研には手を出すな!」の主役の声なんですね。

 

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