EOS R時代のAPS-Cモデルはどうなるのか、に対する解が出ましたねぇ。マウント名はRF-Sマウントなんだそうです。これでEF-Mマウントはお役御免でしょうか。
登場したのはEOS R7とEOS R10。概ね、EOS 7D系の後継がEOS R7で、EOS 90D(二桁シリーズ)の後継がEOS R10と考えて良さそうです。
価格には驚きました。R5/R6以降のEOS Rは、同等クラスの過去のEOS Dシリーズと比較して高くなっていたからです。たとえばEOS R5は46万円スタートで、同クラスのEOS 5D Mark IVは44万円スタートでした。EOS R6は32万円スタートで、EOS R6の22万円スタートと比較するとかなり値上げ。もっとも、6シリーズに関しては値上げに見合った中身の進化はありましたが。
しかし今回、EOS R7のスタート価格は19.8万円。なんとEOS 7D Mark IIの22万円スタートより1割安い。EOS R10も12.8万円スタートでEOS 90Dの16万円スタートと比較するとかなり戦略的。これは貧乏になった日本人に向けたキヤノンなりの気遣いなのかと思いきや、北米でではEOS R7は$1,499なので日本だけ安いということではありませんでした。センサーをAPS-CにしただけでEOS R6と比べて値段が2/3になるなんてどんなコスト構造なんだとは思いますが、いよいよミラーレス機でアドバンテージのあるソニーを本気で潰しにかかってきてると言うことでしょうか。
EOS R7。EOSシリーズの中ではスポーツモデルにあたる7番を冠した機体ですが、本体前面にAF/MF切替レバーがあるのが新しい。もしやと思い確認したところ、 同時発売のRF-Sレンズ「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」側にはAF/MF切替スイッチがありませんでした。RF-SレンズはEF-Sレンズと違い、フルサイズ機と取り付け位置指標が共通化されているようなので、おそらくフルサイズのEOS Rに装着できるはず。その際は自動的にAPS-Cサイズにクリッピングされるのだと思いますが、ボディ側にAF/MF切替スイッチを持たないフルサイズEOS Rにおいて、果たしてメニューの中にAF/MF切替が表示されるようになるのか気になります。
EOS R7で度肝を抜かれるのはこのダイヤル位置ですね。EOSシリーズのアイデンティティである背面ダイヤルはフィルム時代に設けられたものですが、その頃のEOSは背面液晶なんてないわけで、できるだけ大きくしたい背面液晶と場所のせめぎ合いになっているのは容易に想像できます。それにしてもこの位置とは。斬新すぎます。ただ自分のEOS R6を握りながら想像するだけで、この位置は決して悪くない、むしろかなりいい位置だということは分かります。
親指をホームポジションから右に左にずらしてもいい位置にダイヤルが…と思いきや、ボディ上面右端にあるのはなんと電源ダイヤル。カスタマイズ可能なダイヤルではなく電源ダイヤルだとは!いやもう、最初からこの位置にして欲しかったよなぁ。電源はここがいいに決まっています。
ボディ内手ブレ補正はついに回転方向にも対応。自動水平出しにも対応しており、なんと物理的にCMOSセンサーを回転させて水平出しをするのだとか。しかしそのCMOSセンサーはローリングシャッター歪みが大きいらしく、電子シャッターでの秒間30コマはあまり訴求せず、メカシャッター併用の秒間15コマを前面に出すようです。
一方EOS R10の方は特徴的な位置に背面ダイヤルがなく、EOS R6同様に右肩上面にダイヤルがありますが、電源レバーと同軸になっています。EOS Rシリーズの電源スイッチの位置っていままでにも増してフラフラしていますね。
なおEOS R10はEOS RP同様、上位モデルと互換性がない小型のバッテリーになりますので、サブカメラとして考えている方は要注意です。
EOS Rシリーズ初のストロボ内蔵はなんと手動ポップアップ式。アクセサリーシューはEOS R7/R10ともEOS R5C/R3で使われている細かい端子が追加されたタイプで、従来のシンプルなアクセサリーシューはEOS R5/R6がラストモデルになりそうです。
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