本機はみんぽすからの借用品である。
マシンに「選ばれる」という言い回しがある。
ITmedia:「MacBook Airは使い手を試す。もし(MacBook Airに)選ばれた人々は、マシンをひと目見ただけで『他人が言う評価はどうでもいい、自分はこれを買わなければ』と強く感じるはずだ。”
この観点からすれば、R8は俺を選ばなかった。
なぜか。
それはひとえに、俺がリコーに期待するカメラ像とズレがあったからに他ならない。リコーにとっては迷惑千万な物言いで申し訳ないが、やはりR8はR7までの機種の延長であり、GRD/GX100とは別物である。
R8で俺が一番失望したのは、右手のグリップ。俺の手は成人男性でも決して大きい方ではないが、カメラ全体が小さいので、どうやっても片手でガッチリとホールドできない。親指はともすればADJレバーに常に乗り誤操作の原因になるし、ADJレバーを避けてホールドすれば何かの衝撃ですぐ落としてしまうだろう。
R8ホールドの様子。今にも落としそう。しかしこの程度しか掴めないコンパクトデジカメが今の主流だ。
GX100ホールドの様子。中指側の出っ張りも大きく、がっしり掴める。これだけホールド感が全然違うのに、ボディの横幅はたった9.6mmしか違わない。体感的には2倍以上大きいグリップを掴んでいるように感じるのに。
GRD/GX100を知らなければこんなものだと思っていたかも知れない。しかし、GRD/GX100はカメラ売り場ではたいていR8の横なのである。知るなと言われるのがどだい無理な話である。
R8はキヤノン厨である俺の目をリコーに向かわせるインパクトのあるカメラだった。が、俺の目はR8を経由してGX100も経由して、GRDに行ってしまった。とはいえ、俺の目がリコーのラインナップ内にとどまっていることで、リコーの戦略は成功しているとも言える。
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