EOS 5D Mark IIレビュー(3)「使用感」編

構えてみてまず感じるのは、何と言っても35mmフルサイズの視界の広さ。今までと同じ24mmのレンズでここまで広くなるのかと感動を覚える。しかしフィルム時代はこの視界の広さが当たり前だったのであり、APS-Cサイズ化で失ったものをやっとひとつ取り戻した気分だ。

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さすがにAPS-C機と比べるとシャッターを切った後のミラーショックは大きい。ファインダーに接眼している目の周りの骨にビンビン響く。しかしシャッター音自体は優しい系の音質であり、聞くところによると振動についてもフルサイズ機の中では小さい方らしい。


初めてボディを持ち上げたときのズシリとした重さは、いざ撮影に集中するとほとんど気にならなかった。むしろ戸惑ったのは、液晶画面の自動明るさ調節。撮影結果を確認する際に液晶への映り込みを減らすためにカメラの角度を変えることはあると思うが、すると環境光センサーに入る光の量が変化するため、液晶の明るさがコロコロと変わることがある。

慣れるまでは液晶に映る撮影結果を見て「あれっ?アンダー?」などと一瞬ドキッすることがあった。しかしこの明るさ自動調整機能のおかげで日陰でも日向でもそこそこの視認性が得られるわけだから、個人的にはあった方が嬉しい。

環境光センサーの反応速度は速すぎると明るさが不安定になりがちだが、遅すぎても使いにくい。改良を望むとすれば、液晶の明るさが明→暗になるときの反応速度は現状のままで、暗→明になるときの反応速度を現状より高速化すると「あれっ?」という違和感が減るかも知れない。

もしくは消費電力との兼ね合いもあろうと思うが、背面液晶がOFFでも環境光センサだけは働かせておき、液晶点灯時には最初から適切な明るさで表示させるようにできると良かったと思う。

なお取説では、撮影結果の明るさはヒストグラムで確認することが推奨されている。

むしろもっと把握が難しいのは「オートライティングオプティマイザー」(以下ALO)で、これはコントラストが高いものはシャドー部を持ち上げ、コントラストが低いものはメリハリを付ける機能だが、結果が意図通りでなかった場合に、これがALOの副作用なのかの判断が付きにくかった。

ALOは悪条件での失敗写真を減らず便利機能だけに、なんとかクセを把握したいのだが、これもやはり場数を踏むしかあるまい。

周辺光量低下補正は「入」でも不具合を感じなかったので、常用しても大丈夫そうだと思った。もちろんレンズの味を残したい場合は「切」にすればいい。

一方、連写速度3.9コマ/秒はやはりややもの足りず、40Dの6.5コマ/秒を知っていると、電車などを撮る際に若干のもどかしさを覚えた。連写速度「命」の用途では、40D/50Dの存在価値は健在だ。

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