「ランドセル選びについては…悩みました。1時間半も悩みました。」の続きです。土屋鞄製作所にて下の子のランドセル選び。その悩みのプロセスを記録しておきたいと思います。
まずハイエンドモデルから見てみましょうか。
「革のダイヤモンド」と呼ばれるコードバンです。
ブラックでも艶ありと艶なしがあります。女の子用の「赤」だと、艶ありモデルが映えるのですが、黒の場合、個人的には艶なしモデルの方が落ち着いていて良いと思いました。艶ありブラックだと、一見クラリーノ(合成皮革)に見えてしまうかも知れません。実際クラリーノと並べてみると全然風合いが違うのですが…。
価格は71,000円。3年前に入学した上の子用には「艶なし赤」のコードバンを買った(祖父母のプレゼントで買って貰った)のですが、当時はもう1マーク安かったはず…。実はこれの「特別パステル仕様」(75,000円)というのが真のハイエンドモデルですが、特別パステル色じゃなくても充分素晴らしい風格です。
コードバン同士の色比較。茶色もなかなかいい色ですね。
牛革との比較。牛革はラインナップの主力モデルで、お値段もミドルクラス。艶やかさや触り心地、風合いではコードバンには敵いませんが、丈夫さが魅力。表面もシボ加工がされており、キズも目立ちにくくなっています。
実は革自体の強さでいえばコードバンが上なのですが、表面加工、表面塗装込みだと現在の技術水準では牛革の方が耐久性が上なのだそうです。また、革に折り目が入るような強い力を受けた場合でも、コードバンがキッチリ折り目が残ってしまうのに対し、牛革だと比較的目立ちにくいとのこと。
ここが最大の悩みどころ。
「迷ったら、高い方」という鉄則はあるのですが、いかんせん下の子は、上の子が綺麗に3年間使った幼稚園のカバン(ブランドもので、革製)のお下がりを、1年でメタメタにしてしまった前科の持ち主。さすが男子と言うべきか。
コードバンがキズ付いていく様子を見せて、ものを大切に使うことを教育するか。
牛革にしてキズなど気にせず、ランドセルなど放り投げて、公園を吹っ飛び回るのを許容するか。
コードバンでキズなど気にせず、ってブルジョワな使い方もあるでしょうけどね。コードバンにしたら、周囲が口うるさく「大切に使いなさい!」って言ってしまうと思うんですよね。キズが付くたび、小言を言って…。
私が小さい頃病弱で、あまり外で遊ぶのが好きでなかったというのもありますが、下の子にはぜひ元気に、体力を付けて育って貰いたいと願っています。にしても、下の子は見るからにひ弱で(笑)吹けば倒れるようなマッチ棒みたいな、とてもクマデジの子供とは思えない繊細さなのですが、でも元気だけはある。この元気をなんとか生かしてあげたい、そう考えました。
だから事前の下調べでは気持ちを込めて「牛革」一択だったんですが、店に行って現物を見てしまうと…揺らぎますね…やっぱりコードバン、最高だ(惚
ちなみに子供自身に選ばせると、手触りが良く、キラキラしたものを選択するので、コードバンを選びます。選択基準として全く参考になりません。
ちなみに牛革は最量販モデルなので、一番入手しやすくなっています。売り切れる可能性も低いですし、初日に気合い入れて買いに行く必要はありません。
そこで目に付いたのが「牛革アンティークモデル」。Webや電話での注文は不可で、店頭でしか購入することができません。価格はコードバンとノーマルの牛革のちょうど真ん中。
アンティークモデルとノーマルモデルの違いですが、一番の違いはこの金具の色とステッチの色。ノーマルモデルはピカピカの金具で、ステッチも革と同色ですが…
アンティークモデルは真鍮色の金具に、ブロンズカラーのステッチになっています。ほか、アメ色の内装など、ノーマルの牛革と差別化を図ったデザインになっています。正直、これでどうして1万円高くなるのかは理解できないのですが(笑)、たぶんパーツの量産効果の違いでしょうね。希少なパーツを使うから、販売個数が少なく、パーツ代も高い。おそらくそういうロジック。
希少性をとって、牛革のアンティークブラックに決めました。ステッチが特徴的なので、学校や公園でもたぶん、一目で自分のランドセルと分かってくれるのではないかと思います。
なお牛革にはプレミアムカラーのグリーンやキャメルもあるのですが、これは親は気に入ったものの子供は気に入らず、ベース色は黒がいいというので、親と子供の折衷案で決めました。
なお、祖父からは「プレゼントするのは上の子だけ」と宣言されてしまいましたので、今回は自腹です。価格も数年前と比較して全体的にアップしているので、牛革アンティークブラックであれば、上の子とそんなに差が開かずに(贔屓にならずに)バランスが良いのではないかと思います。
余談ですが、土屋鞄は、革製品に付いたキズや、使い込んで劣化していく様子も「味」であるという啓蒙をしています。やや穿った見方をすれば、そういう空気を作ることで、元々生体であったりキズ付きやすい革製品に対するクレーム予防なのかな、とも思いますが、ランドセルについてはそういう戦略をとっていないのが不思議です。唯一、ヌメ革モデルだけが「キズは誇りだ」というような啓蒙をしています。この統一感のなさに気がついてしまうと、メーカーに踊らされずに、結局、自分はどう使いたいの?という「軸」を持つことは大事だなぁと思います。
やっぱりメタメタになってもコードバンを選ぶべきだったか…?
いやいや、勿体なさ過ぎるでしょう(笑
コメント
はじめまして。いつも楽しく拝見させて頂いています。
うちも長男が来年小学生になりますので土屋鞄のランドセルの件、参考にさせて頂きました。
早速、昨日購入してきましたが、自分が興味を持ったのは入って右手側でした。
あと、驚いたのがお客の数。カオスでした。
また寄らせて頂きます!
ありがとうございます。
そうそう、右側が大人ホイホイなんですよね~
もしかするとランドセルと一緒に商品割引券が
届くかも知れません。(1,000円分くらい)
やっぱ右側の商品を買わないと(笑