サイズ感のルーツは「長財布」。ソニータブレットPシリーズ

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Pシリーズについて、ここで触れておきたいと思います。

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「長財布」を持つ Sony Tablet Pシリーズ 電気設計担当
水上 麗氏

折りたたみ式のPシリーズのサイズ感のルーツは、長財布にありました。確かにこういったトライディショナルなモノに解を求めるというのはアリだと思います。長財布の内側にアクリルパネルを貼り付け、これで行こうと。もちろん、製品化までの間には具体的な画面サイズや重量バランス、画面のアスペクト比など様々な微調整を施したモックアップモデルが多数作られました。

このモックの現物も見られたのですが、あいにく撮影禁止でした。しかし、何十パターンも作られたモックで入念な検討を行った結果、Pシリーズは大変気持ちよい持ち心地を実現しています。唯一難点なのが、ボディ手前側の角が親指の付け根にあたって痛いこと…重量バランスや持ち心地がいいだけに惜しいですね。同社のハンディカムの掌があたる面の造形の拘りを参考にして欲しいと思います。

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Sony Tablet Pのスケルトンモデル。こういったモデルが出ると「これでいい、これを売ってくれ」というスケルトンフェチが続出で(笑)実際、このイベントでもスケルトンモデルの人気は高かったです。

実装チームは「お客様に空気を売るな」を合言葉に、ふくよかな曲面に合わせて内部の基板を構成していくのに苦労したとのこと。ちなみにメインCPUであるNVIDIA TEGRA2プロセッサは、上の写真の下半分の左側にある基板の裏側についているそうです。

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落下試験も100個単位で試作機を床に落とす試験を重ねたそうで、ある程度壊れるのは仕方ないとしても、万一壊れた場合でもデータをユーザが自分で吸い出せる率が高くなることを考慮して設計されています。

そういえばソニータブレットのチームではネットの意見もチェックしているようなので、意見のある方はtwitterなりカカクコムなりご自分のブログで意見表明するなりすると、将来いいことがあるかも知れません。

最後に、今回のイベントに登壇された方々の一言コメントを紹介します。

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岩井 剛氏

「とにかく小型のモバイルコンピュータが大好き」と語るのはマーケティングマネージャーの岩井 剛氏。以前はVAIO type U/ T/ ZなどほとんどのVAIOに関わったとのことでしたが、「小型のコンピュータ好き」のオーラが周囲に漏れていたのか、Tablet事業立ち上げに伴いこちらのマーケティングを担当することになったようです。

「PlayStation Storeのゲームは1度購入すれば同じIDを使うXPERIA PLAYでも遊べるし、PlayStation Certifiedをライセンスされた他の機器でも遊べるようになる。いまソニーリーダーを使っている人は、そのコンテンツをソニータブレットでも使い回せる。しかし、クラウドに上げていないコンテンツもユーザーはたくさん持っているはず。ソニーらしさとして、AV機器との連携にも注力した」(岩井氏)

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岩田比呂志氏

「気持ちよさという体験を実現する開発プロセスという面では、試行錯誤してやってきた。我々開発者はモノを作ってしまうとそのモノを愛してしまう。ユーザの皆さんにも本機を好きになってもらって、楽しんで使って貰えたら嬉しい」(前エントリに登場された佐藤晃一氏)

「ソニータブレットSシリーズは、朝起きると触りたくなる、何か思いついたときにインターネットを見る、家の中で最適なデバイスとして開発した。きっとご満足いただけると思うし、必ず元は取れるはず(笑)」(商品企画担当部長 岩田比呂志氏)

「Pシリーズはもちろん外出して使うことを意識して開発した。外で地図を参照するときなど、従来のスマートホンの画面では小さすぎる場合もあると思う。ぜひ1人1台お持ちいただきたい」(当記事冒頭の写真の水上 麗氏)

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鈴木雅彦氏

「(Pシリーズだけではなく)Sシリーズもぜひ外にお持ちいただきたい!」と笑いをとるのは設計マネージャーの鈴木雅彦氏。氏はVAIOシリーズの設計者として有名な方で、この方をプロジェクトに引っぱってきてしまうあたり、SonyのTabletに対する本気度がうかがえます。

以前にNEXのイベントに参加したときにも感じたのですが、ソニーは新しいものを作るとなると、すぐあちこちのプロジェクトから設計者をかき集める習慣というか文化があるようです。抜かれた方は堪ったものではないのではないかと思いますが(笑)、そこは人材の層が厚い?ソニーですから、何とかやりくりしているようですね。

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とにかく、ハードウエアの作り込みの入念さは良く解りました。あとは各種クラウドサービスがいかにスムーズにラウンチするかだと思いますが、その関係先は多岐に渡るため、なかなかネゴジェーションが大変そうです。iPadとほとんど同じ値段でも「SonyTabletがいい」と選んで貰うための挑戦に、期待したいと思います。

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コメント

  1. mn より:

    でも売れないだろうな(~_~;
    哀しい…

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