噂系サイトでは7/2に出る出るといわれていたキヤノンのミドルクラス、EOS 70Dがリリース。
時期的に例年通りですし、型番も予想されたものではありますが、その中身は大変アグレッシブです。
撮像素子にAFセンサーを埋め込むという発想はフジが最初に実用化したと記憶していますが、その後は瞬く間に他社にも波及し、今や上級ミラーレスカメラ(一部はコンデジにも)の必須条件のようになっています。
いくらミラーレスに注力していないとは言え、ファインダー付きの一眼レフを買ってもほとんど背面液晶でしか撮っていないというユーザーがいたり、EOS MOVIEをさらに一般的なビデオカメラらしくしようとすれば、キヤノンもライブビューでのAF速度向上が至上命題だったことは容易に想像できます。
しかしさすが後発だけあって、キヤノンの「デュアルピクセルCMOS」センサーは、全画素がAFセンサーにも、撮像用センサーにもなるという斬新な発想。実際はレンズからの光の入射角の関係か、中央の縦横80%の領域のみAFセンサとして利用するようですが、「全画素がデュアルピクセル」というのはずいぶん思いきった仕様。しかし意外と全画素で同じ仕様にしてしまった方が製造面では厄介がないのかも知れません。
ファインダーも電子化が進むミラーレス勢に対抗するためか、贅沢にも上位モデルの象徴でもあった液晶透過式のAF枠表示を採用、ファインダースクリーンは交換できなくなりましたが、ついにこのクラスまで液晶透過式になったことは感慨深いものがあります。NEX-6など本体6万円そこそこでファインダー内に水準器のオーバーレイまで平気でできちゃいますから、そう考えるとEOSもこのクラスに搭載せざるを得なかったのかも知れません。
全方位に渡って「ミラーレス機への対抗」意識が剥き出しになっているように感じます。
そりゃそうです。同じAPS-C機で、この大きさ、この重さは何を持って正当化されるの?とするならば、やはりそれはEOSシリーズが特徴とする「圧倒的なチャンスへの強さ」しかないでしょう。
スリープ解除といえども、ウイーンとレンズが伸びて、よっこらせと液晶が点灯して、AE/AWBが安定して…(ここまで4秒)などというシステムでは応えられない用途があります。
にしても、こんな凄いスペックでも1年後には新型が出るんですか…?
それと、キヤノンでは本機を「ミラーレスの入門機」と位置づけているようですが、入門機でこのスペックですか…。「7D Mark II」と噂される機体は、一体どうすればこの70Dを凌駕できるのでしょうか。意外と「ライブビュー」には目もくれず、ストイックなスポーツ機路線になるのかも知れませんね。
あまりにもの高性能っぷりに手元にある 5D3 + 5D2 のうち、5D2 を売却して本機に乗り換えてしまおうかと気を失いかけた自分がいます(でも何とかこちらの世界に戻ってこれました(笑))。ずっとEOS 2桁シリーズを使ってきたものの、あまり進歩を感じられなくて 40D で買い換えが止まってしまったユーザーも、これならば乗り換えたくなるでしょう。いいんですよ乗り換えても(誰
にしても「イチガン新世界」…
大丈夫ですか、「一眼レフ新世界」じゃなくて。御社が得意とし、電機メーカーがなかなか真似ができない「交換レンズの豊富さ」「ミラーボックス」「ペンタプリズム」のうち、「ミラーボックス」を捨てるようなコピーにして…。
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