4/1にソニーからリリースされた 360 Reality Audio動画 を、対応ヘッドホンで試してみました。手元にあるヘッドホンで対応しているのはWF-1000XM3のみです。
サンプル曲として提供されているのはYOASOBIの「群青」。
まずWF-1000XM3のキャリブレーションをしていなかったので、そこから始めます。ソニーの「Headphones」アプリがカメラへのアクセスを要求しますので(すごい違和感!)指定された方法で耳の形を撮影すると音場が最適化されるようです。これはソニーが蓄積した大量の耳の形状から、一番近い形状をパターンマッチングで検出し、そのパラメータをセットしているようです。
再生自体は別のアプリ「ArtistConnection」を用いて行います。
試聴してみましたが、確かにいままでのヘッドホンではあり得ない位置に音像が定位します。おそらくバイノーラル録音に対して、反対側の耳にも積極的に微弱な何らかの音を流し込むことで、擬似的に遠い音像を錯覚させているのではないかと思います。キャリブレーション前と後で聞き比べてみましたが、キャリブレーション後の方が360°の音の繋がりが自然になりました。
多くのスピーカーを使えば似たようなことはできますが、これはたった2つのドライバで360°任意の角度で任意の距離に音像を持って行けるのがミソ。
ただ、現状では技術デモの要素が強く、これをもって何を表現するのか?というところはこれからなのでしょう。若干音質も悪化するように感じたので、いままでのオーディオにどれくらい取って代わるかは未知数です。映画のサラウンドフォーマットとのブリッジも将来あったりするのでしょうか。ただ、ソニーがこういう新技術を手がけてくれるのは嬉しいですね。
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