MAZDA3 に 2.5L ガソリンエンジン搭載で、東芝の不正会計まで思い出してしまった話

先日、MAZDA3に マイルドハイブリッド付きの 2.5Lガソリンエンジンが搭載されるという話を聞いて、一瞬聞き間違いかと思いました。しかし 1.8Lディーゼル廃止に伴う替え玉だと聞いて、なるほどと思いました。

マツダのディーゼルは、高価な排ガス処理装置(アドブルー/尿素SCR等)を使わずにエンジン内部の燃焼そのものを綺麗にするという、世界でもトップクラスの変態技術(褒)で実現されていました。しかし、近年の欧州をはじめとする最新の環境規制がどうもクリアできなかったようで、ガソリンエンジンへの回帰が行われたようなのです。

そもそも自動車の環境規制というのは、単なる環境保護だけでなく、「欧州や米国が自国の自動車産業を守り、有利にするための非関税障壁」という側面を持っています。欧州は CO2削減を名目に、自国が得意な「ディーゼル」を優遇、米国は喘息対策や自国ガソリン車保護のための「NOx(窒素酸化物)」の基準を超厳格化、というわけです。

これらをそれぞれ満たすような仕様の車を作ればいいのですが、現代の自動車開発における「コストダウン・共通化」の圧力下では、地域ごとに専用仕様を開発することは現実的ではありません。結果として、「両立し得ない欧米の規制」と「コスト削減」の板挟みが生まれます。

それはやがて「フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正事件」という形で顕在化しますが、元はと言えば「アメリカの厳しい規制を、欧州向けの安い仕様のまま、コストをかけずにクリアしようとした」という無茶をした歪みだったと言えます。

以下は想像なのですが、このVWの不正が発覚したとき、きっとマツダの中の人は分かっていたはずです。マツダ自身も欧州と米国の環境規制を相手にエンジン開発で悪戦苦闘している様子がありましたので、易々とクリアしたVWのエンジンは「おかしい」と直感したでしょう。

実は私も似たような経験をしていて、以前、デジタル家電開発の仕事をしていた時に、東芝のデジタル家電の値付けはおかしいとずっと思っていました。案の定、そのタネは東芝の不正会計でした。なので、事件が明るみになった時に「だよな」という感想しか抱きませんでした。VWのエンジン不正と同じ構図だと思います。

ところで、かつて「エンジン屋」といえばホンダでした。1990年代ごろまでだったでしょうか。しかし、ホンダが2040年までの「EV・FCEV100%化」を掲げ(ただし軌道修正中)電動化へと舵を切った今、エンジン屋の魂はマツダに宿っている気がします。会社の規模感ゆえ開発予算が捻出できず内燃機関にしがみつくしかないわけですが、幸か不幸かその環境が数々のマツダ変態技術を磨き上げ、内燃機関ファンに支持される原動力になっているわけです。

しかしさすがのマツダも完成度の高かった「1.8Lディーゼル」の替え玉となると単純な 2.5L NA というわけにはいかなかったようで、今回の MAZDA3への搭載は「自社開発のマイルドハイブリッド付きのガソリン2.5Lエンジン」となったようです。一方、開発予算で言ったらマツダと同等と思われるスバルは、トヨタに協力を仰ぐことでパワートレインのストロングハイブリッド化を果たしています。ですがマツダはマイルドハイブリッドこそ導入しましたが、そこにMAZDA 3クラスにも2.5Lエンジンを搭載するなど、往年のホンダを彷彿とさせるようなエンジンへの拘りがいまだ感じられます。

私はさほどに内燃機関のファンというわけではありませんが、やはり低コストで使い勝手がよく、絶対の信頼性という面では内燃機関は一日の長があります。ただ、エンジン音を響かせるのは必ずしも好きではなくて、箱根の空が近い山道を鳥の囀りを聞きながら走るときは、エンジン音は邪魔だなと思います。還暦近い私ですらそうなのですから、若い人はもっとエンジンにシンパシーは抱かないでしょう。マツダもそういうユーザーの変化に後押しされて、今回は 2.5Lガソリン+マイルドハイブリッドという札を切ってきましたが、完全電動化を始める日も遠くないように思います。そう、次期NE型のロードスターをどうするつもりなのか、ですよね。

コメント

  1. まるぼうず より:

    私はディーゼル好きだったので残念です・・・・

    マツダがエンジンにハイブリッドを導入するのは、「車検証にハイブリッド車と記載される」ため・・・と営業さんが以前言ってました。
    企業が社用車を導入する際、ハイブリッド車か否かで、環境に配意している企業であるかどうかを判断され、取引して貰えないなんてことがあるそうです。
    Appleもそうですよね。

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