少し前のエントリにコメントを頂いたので、炊飯器について思うところを書いてみる。
いま我が家で使っているのは、マイコンIH式の5.5号炊きで1万円くらいのもの。内釜のコーティングが剥げてきたので買い換えたいのだが、内釜だけパーツで購入すると9千円前後する。既に8年使ったので、内釜だけ買い換えても別の部分が壊れるだろうと思っている。
なお、内釜のコーティングが剥げてきた理由は2つあって、(1)取説で禁止されている酢飯を何度か作ってしまった (2)内釜に取っ手が付いていて決まった方向にしか取り付けできないため、しゃもじが釜底に当たる箇所が集中するため と推定している。
さて、次の炊飯器の機種選定はどうしようか。
まず業界全体として、ずいぶん前から「圧力」をかけて炊飯するのが流行だ。「かまど」で炊く場合でも多少の圧力はかかるのだろうから、理にかなっているのだろう。難点は、圧力をかける仕組みを入れると、蓋の開閉が重くなることである。
また、炊飯だけならいいのだが、炊飯器を使った料理を行う際には圧力鍋と同じ注意が必要になる。すなわち、材料を入れすぎたり、圧力をかけると溶ける(はんぺんなど)材料を入れて煮込んではいけない。そういたことをすると、普通の圧力鍋と同様、蓋を開けた際に中身が置き追いよく吹き出してくる可能性がある。もちろん、お米にしか使わないのであれば無用な心配である。
現在、ほとんどのメーカーの主力機種には圧力式になっている。まったく圧力に手を出していないのはパナソニックくらいだろう。おそらくパナソニックには「売れるメーカー」として、多少のおいしさアップよりフールプルーフを採らなければならない雰囲気があるのだろう。
また、最近のトレンドとしては「蒸気レス」が挙げられる。これはパナソニックが最初に出したと記憶しているが、現在では日立と三菱が追随している(パナより三菱の方が先だったかな?)。蒸気レスだと炊飯時に棚から引き出す必要がないため、設置の自由度が増える。
スチームも多くのメーカーで採用されているが、蒸気を出すためにタンクに水を入れなければならない機種がある。また、スチーム機構が付いているとどうしても使用後の洗浄で洗わなければならない部品が増える。最近では「給水レス・スチーム」を謳う機種もあるので、スチームは欲しいがお手入れが面倒な場合はそういった機種から選ぶといいだろう。
お手入れの複雑さは必ずチェックしたいポイント。毎日のことなのだから、少しの面倒が積もりに積もる。ある程度候補機種を絞ったら、必ず取説PDFファイルを各社のWebサイトより入手し、炊飯後に分解洗浄しなければならないパーツがどれくらいあるのか確認するようにしたい。ヘタすると10点近い部品を分解洗浄しなければならない機種もある。
長時間保温も1つの流れである。ハイエンドモデルの中には40時間を超える保温時間を誇るものがあるが、個人的には炊きたてに勝るものはないと思うので、あまり魅力を感じてはいない。
消費電力はどうか。ハイエンド機ほど電気を食いそうな気がするが、実はそうではなく、どうも断熱材や制御の細かさの工夫などで、1万円クラスのものより5万円クラスの方が低消費電力だったりする場合があるので注意が必要だ。ポイントは、炊飯時の消費電力よりも、保温時の電力だろう。炊飯時の電力は、家庭で1コンセントから使える平均上限電流が15Aであるという制約があり、上位機種でも下位機種でも頭打ちになっているようである。炊飯時は概ね1,300W~1,400Wの機種が多い。
さて、そんな観点で私は候補として2機種に絞った。
まず第一候補、日立のRZ-JP10J。2009年モデルで実勢価格15,000円前後。圧力がかからない普通のIH式だが、それゆえ洗浄が必要な部品が少なく、釜にも取っ手が付いており使用直後の熱々状態でも洗いやすい。現在我が家で使っている炊飯器の後継機種であり、違和感なく使えるだろう。なんと言っても今の世の中の空気にマッチした価格と質素な雰囲気がいい。圧力をかけないIH式だって、15年前は3~4万円くらいしていたのである。
第二候補、同じく日立の上位モデルRZ-JX100。2009年モデルで、実勢価格43,000円前後。圧力式、蒸気レス、給水タンクが不要なスチーム、洗浄部品点数が比較的少ない、JP10Jより低消費電力だったり、高速炊飯時の所要時間が半分(JP10Jは27分に対して本機は15分)などのメリットがあるが、圧力式なのでフタが重く、釜に取っ手もない。
さて、価格差3倍のこの両者をどう考えるか。もちろん最も重要視すべき要素は「味」なのだが、普段食べている米の種類にも依存するだろう。米には圧力でうまみが引き出せる米とそうでない米があるように思う。実は私の実家で作っている米は我が家の1万円の炊飯器で「充分美味い」と感じられ、実家では圧力式の炊飯器で炊いているのだが、味的にさほどアドバンテージを感じなかったのだ。しかしもしかすると毎日使うようになると、圧力式との味の違いを感じるようになってしまうかも知れない、という淡い期待もある。
そんなわけで2機種まで絞ったものの、なかなか決められずにいる。
「迷ったら、高い方」のルールを適用すべきか…。
コメント
電気炊飯器をやめて、土鍋もしくは鉄鍋で炊飯するというのはどうでしょう? とてもおいしいですよ♪
保温の悩みもありませんし・・・。
祖母が存命だった頃の実家で竈に羽釜をセットしての炊飯を手伝っていたときの記憶からすると、圧力は、木の分厚いフタが担っていただけなので、それほど高い圧力にはなっていないものと思います。
こんな感じのですね
http://www.nikko-factory.co.jp/shop/akv-f3.html
ガスコンロが2口しかないので、片方をご飯で占領されてしまうと、
効率が悪いのです…。
電気炊飯器の圧力もたいしたことないです。
1.3気圧とかそれくらいです。
どこかのメーカーが1.5気圧機を作ったらそれに耐えられるフタが重すぎて大変だったとか?(笑
(東芝だったかなぁ…?)
美味しさ重視であれば炊飯器より自家精米に注力したほうが宜しいかと。
生ものですものね~米も。
どんな野菜も皮むいた状態で保管しないですもんね。
ただ、深夜に帰宅して精米して翌朝の弁当に
備える元気があるかと言われると、
ないと断言できますw
>>深夜に帰宅して精米して翌朝の弁当に、備える元気があるかと言われると、
うちでは、玄米で買って、精米器(象印BT-AE05)で精米してます。普段は7分搗きですが、新米などの場合には白米にします。
慣れると大丈夫ですよ。
玄米~精米 3カップ5分くらい
洗いと研ぎ 5分くらい
吸水させないので
鍋での炊飯 ガスコンロに乗せて沸騰してから、12分くらい(3カップの場合)
ここで、コンロからおろして、蒸らし20分。
>>ガスコンロが2口しかないので
ということで、2口でも蒸らし時間をうまく使えば対応できます。今は2口タイプにしましたが、引っ越し前は、私のところのガスコンロは1口でしたから(爆
実家の母にも同じ精米器をプレゼントしています。実家の台所のガスレンジは3口あるので、母は炊飯土鍋を沸騰するまではメインコンロで加熱し、沸騰したら、3つめの小さいコンロに移して、メイン2口で調理しているようです。
しかし、ぶっちゃけ、おかずに使えるコンロが1口減ることで、おかずが減っても、ご飯がおいしければシアワセです♪
>おかずに使えるコンロが1口減ることで、
>おかずが減っても、ご飯がおいしければシアワセです♪
何というパラダイムシフト!
>>何というパラダイムシフト!
ご飯がおいしければ、卵かけでも、ふりかけ(錦松梅がおすすめ)でも、醤油(濁り醤がおすすめ)かけでもどんどん行けます!
しかも、おかずが減って、お財布に優しい(笑
BT-AE05は、2.6万円ほどしますが、もう少し安い精米器もあります。しかしBT-AE05をおすすめしておきます。ただし、同機の無洗米モードはダメですので、研いで下さい。
あとは、ご自宅に今ある鍋でOKです。専用の鍋も5000円くらいから買えます。
BT-AE05と鍋を合わせると、RZ-JP10Jより高くて、RZ-JX100より安くなります。
もちろん、BT-AE05とRZ-JX100という選択肢もあります。
やっぱ朝起きるとご飯が炊けている魅力には勝てないっす(笑
>>もちろん、BT-AE05とRZ-JX100という選択肢もあります。
ほほう…
座右の銘は「迷ったら、高い方」
…ですね。
と思っているうちに、電子レンジが壊れてしまいましたorz