成績が宜しくない女の子の親へ:西原理恵子「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」

受験シーズンですね。
学校に入学しにくく卒業しやすい日本では、入学というイベントが人生の岐路においてウエイトが大きくなります。もうそうそうに進路が決まってしまった方、これからの方、いらっしゃると思いますが(我が家はこれからです)、想像していたほど良い成果が出なかったなぁという現実に直面されることもあるかと思います。

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すごい勢いで増刷がかかっているベストセラー本ですが、読んでみました。

著者の西原理恵子さんって、人生成功されているのか失敗されているのか他人からとやかく言うことが憚られるような人生を歩んでおられますが、まぁどちらかと言えば「高須さんという万馬券」(本人著)を最後にひいて成功者と呼べるのではないでしょうか。そういう意味ではこの本も私にとって鼻につく「成功者が書いた武勇伝」とか「勝者の論理」本と言えなくもないですが、女の子にとっては人生に何が必要なのかというのは男性の私には分からないところがあるので、手に取った次第です。

本書には使われていない比喩ですが、たとえば魚という獲物を得るために、素人は「海に入らずに陸から釣り糸を垂らすだけ」「船から垂らすだけ」「10mくらいは潜ってみるか」と考えるところ、西原さんに「いやいや、10,000m潜らないと魚なんて捕れるわけないじゃないですか」と説かれているように感じました。

そう、いまある程度安定した生活をしていると忘れてしまっていますけど、人生って本当はとても泥臭く、恥ずかしく、そして綺麗事だけでは済まないことだらけ。女の子であればなおのこと。優秀な大学を卒業するルートからいい会社に滑り込んで生活に困らない白馬の王子様と結婚できる人はほんの一握り。ではそうではない女の子にはどういった覚悟が必要なのか、ということを、とても苦労されてきた西原理恵子さんの意見として知ることができました。

ただ、西原さんって、DNA上…つまり地頭はとてもいいと思うんですよね。育った環境が恵まれていなかっただけで。そういう人はどんな環境でも努力すれば芽が生えてくるものですが、地頭が良くなかった場合にどうするか、という奇策があるわけではありません。世間からすればその人の地頭の良さなんてどうでもいいことですから。ただ、そんな無い物ねだりをしても仕方がないので、できる範囲で覚悟を決めて行く、恥ずかしいことや綺麗事ではないことにも手を染めてでも生きていける生命力、そういったことが必要なんだと認識しました。

 

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