あの『孤独のグルメ』の小説版が 10 月に発売されていたので、読んでみました。
「望郷篇」と銘打っていますが、五郎は東京の西の方の生まれ。舞台も都内中心で、望郷するほどの距離ではありませんが、ここで言う望郷とは過去の思い出を指しているのでしょう。
大学生だった五郎が「手にはいつもカルピスウオーターがあった」らしく、1991年に発売されたカルピスウオーターを常飲しているところを見ると、この小説での五郎の年齢は50歳前後になるでしょうか。どうも松重さんのイメージがついてしまって50代後半だと認識していましたが、確かに松重さんを抜きにすればペーパーメディア上の五郎は50歳前後という感じがしますね。
とにかく歌詞や台詞の引用が多く、読み始めた当初はその注釈に引っかかって仕方ありませんが、じき慣れました。エヴァンゲリオンの台詞まで引用してあったのはのけぞりましたが。五郎というか、小説版作者の壹岐真也氏、どんだけ間口広いんですか。
カルピスウオーターまで実名で登場する割には「T急」や「T島園」とかが謎の伏せ字だったりするのも気になるところではあります。
原作1巻目の若干やさぐれたゴローが、1巻よりさらにジャンクなフードを食す小説版。現在のドラマ版とは明らかに違うキャラですし、コミック版のエピソードも多々引用はしているのですが、パラレルワールド感が漂います。もしかすると「五郎」というのは概念に昇華されたのかも知れません。
Bさんの感想も併せてどうぞ…
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