遅れ馳せながら「トラペジウム」を観てきました。当初は観るつもりはなかったのですが、主人公が案外黒いという話を聞き、興味が沸きまして。
オリオン大星雲(M42)とトラペジウム
オリオン座にあり、ここでは新しい星が誕生しています。
カメラと望遠鏡を使い長時間光を集めると、このように肉眼では見えない姿が浮かび上がります。中心で寄り添って輝く4つの星はトラペジウムとよばれます。
(今週、静岡県にて撮影)今週もお疲れさまでした。 pic.twitter.com/RAIC0Kh8V8— KAGAYA (@KAGAYA_11949) February 16, 2024
この作品におけるトラペジウムというのは、アイドルを目指す主人公によって集められた、主人公を含む4人の女の子を指しています。アイドルユニット名ではありません。作中にSONY αを駆るカメラマンがこの映画のタイトル「トラペジウム」に関与するそこそこ重要な役で出てくるのですが、彼が撮った星の写真は上記のKAGAYA(@KAGAYA_11949)氏が提供しています。
主人公の女の子はアイドルを目指す素養があると自覚しているのですが、実際は企画屋の色合いが濃く、それゆえなかなか腹黒いことも考えています。それを夢に対して一途と捉えれば眩しいのでしょうが、その周到な計画が大人から見ても荒唐無稽でないところが、この作品を軽く見せないことに一役買っています。主人公の女の子、「チッ」と舌打ちしたりデスノートの夜神月ばりの表情しますからね。
街の東西南北から探し当てた美少女4人でアイドルデビューするという計画が上手く進むにつれ、主人公の狂気を持った一途さが度を超し、そのうち彼氏の存在を隠していたメンバーや、精神崩壊するメンバーも現れ、せっかくテレビデビューしたアイドルグループは間もなく終焉を迎えてしまいます。結果、ステージを降りた4人がそれぞれ得たものは…というお話し。
とまぁ、多くを語るより、公開映像があるのでこちらを:
こういう映画だとは思いませんよねwww 狂ってるwww
これもwwww いい舌打ちwww
ちょっと先入観覆されませんか。でもこう見えてハッピーエンドなので、空虚な気持ちで劇場を後にすることはないと思います。
同じアイドルものでも「ラブライブ!」や「アイドルマスター」とは全然違いますし、ファンタジー色の濃い「22/7」とも違います。アイドル映画なのにまともなライブシーンが1回しかありません。ですが実際の世界との地続き感を感じさせてくれ、それぞれの立場からいろいろな見方ができるので、間口は広いと思いました。アイドルが嫌いでなかったら、この主人公と同じくらいの子が見ても面白いでしょうし、その親世代(私ですが)が見ても鑑賞に堪えます。
原作は元・乃木坂46 初代メンバーの高山一実。逆算すると中学生の頃からこの原作を書いていたことになりますが、乃木坂のメンバーってちょいちょい恐ろしい才能を持ってる人がいますよね…。製作会社CloverWorks も製作スタッフに現役アイドルがいていろいろ意見出しするというのはなかなかない体験だったようです。
本作のラストにPlanar T* 1.4/50の正面大写しシーンがあるのですが(一瞬だったのでコシナかソニーかの区別は付かず)まさかのKマウントだった模様、いずれにしても「T*」が赤文字でなかったのが何とも惜しい。ディスクリリース・配信リリースの際には修正されるでしょうか。
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