本日開催されたWillVii社主催のSIGMAイベントに参加したのでレポートします。
まず最初にSIGMA社からプレゼンがあり、次に各自希望のレンズを借り受け、スタジオセットやモデルさんの撮影をするという流れの、2時間ほどのイベントです。
このレビューはWillVii株式会社が運営する国内最大級家電・ゲームレビューサイト「 みんぽす」のモノフェローズイベントに参加して書かれています。本レビュー掲載によるブロガーへの報酬の支払いは一切ありません。レビューの内容につきましてはみんぽすやメーカーからの関与なく完全に中立な立場で書いています。(唯一事実誤認があった場合のみ修正を行います)「モノフェローズ」に関する詳細はこちら。(WillViii株式会社みんぽす運営事務局)
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今日のSIGMA社のプレゼンターはなんと山木和人社長!直々です。
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社長のプレゼンが始まりました。トークも見た目の印象そのまんまで、物腰の柔らかい話し方が印象的。
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SIGMA社は完全国内製品に拘っています。しかしなぜ会津なんだろう…という疑問は質問するのを忘れましたが、SIGMA社が創業した1961年は光学製品ブームで、国内に50ものレンズメーカーがあったそうです。それだけメーカーがあれば、自ずとある程度は地方にばらけざるを得ないと思います。もちろん精密機器ですから、工場を建てるなら空気の綺麗な土地ということが前提になるはずです。
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完全国内生産の一方で、SIGMA社は売上げの大半を海外に依存しています。ある意味、製造業の多くが羨望するグローバル進出の形態ですが、当然、海外での売上げにはもろに円高が響きます。ユーロが25%も下がった日には、製品を25%引きで売っているも同然になります。
SIGMAはそれを高付加価値路線で乗り切りました。これは「交換レンズ」という製品の特性にも大きく依存しているのですが、実はこのあたりのお話の多くは先日発売された「週間東洋経済」にも見開きで掲載されています。
週刊 東洋経済 2010年 12/4号 [雑誌](Amazon)
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内製率という指標があります。そのメーカーが自社の工場でどれだけ部品の細部に至るまで自社で開発しているかを示す指標です。SIGMA会津工場はこの内製率が非常に高い。結果、それぞれの細部に至るノウハウが工場に蓄積しているわけです。
この知識のある工場というのは設計者にとって怖い存在です。ウッカリ変なのを設計しようものなら、製造工場のベテランから檄を飛ばされます。昔はこういった工場はよく見られたのですが、今は工場の別会社化やEMS化で、あまり見られなくなりました。そして、設計者がろくに育たなくなってしまったわけです。今やあまり見られなくなった日本の高度成長期時代の現場と設計の関係がSIGMA社にはあるようです。
ところで逆に、設計者にも凄い人がいるんだそうです。この人が設計したレンズにはハズレなしとか、そういったベテラン設計者。しかしそういう設計者基準の製品のグルーピングは、普通、ユーザーには公開されません。とすれば、設計者の名前を前面に出した製品のブランディングというのも面白いのではないかな?と思いました。
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フォトキナ2010で発表された「SD1」についても話が出ました。15.3MPixel×3の、合計4,600万画素のFaveonセンサーを積むとなるモンスターカメラです。
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ご存じの方も多いと思いますが、SIGMA社が買収したセンサメーカーFoveon社のFoveonセンサーは、1つの画素で光の3原色R/G/Bを全て受けます。一方、通常のCCD/CMOSはカラーフィルターで色を分離して平面上に並ぶ各センサーで光を受けますので、ピクセル数ほどの解像度は厳密には出ていません。いや?うちのデジカメはクッキリ写るよ?とお思いの方は、一度Foveonセンサーのサンプル画像をご覧になることをお勧めします。なんというか、今までの常識では考えられない、画素数あたりの解像感があります。
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SD1で撮影したサンプルのプリントです。もちろんデジカメ画像では伝わらないと思いますが、肉眼で見ると不思議な立体感があります。
さて、次はいよいよ撮影に移ります。
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私がお借りしたのは85mm F1.4 EX DG。
もちろん愛機EOS 5D Mark IIで使うため、キヤノンEFマウントです。
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作例は次回に続きます。
コメント
やはり行かれてましたか。
前日に某会で社長さんと営業部長さんとSD1のプリントを交えながら話してましたが、モンスターですね。
ただ、売り方間違えるとSD9などのときように何このぼやけてしか写らないカメラとか言われそうなのを懸念しているのでその辺が心配です。
でもSD1出るのが楽しみです。