川崎にIBMの量子コンピュータが設置されたそうで、速い速いって話ばかり先行していますけど、どうして速いのかを掘ってみるとこれが実に興味深い。どうも計算アルゴリズムの与え方にキモがあるみたいなんですよね。今までのノイマン型コンピュータ(プログラムを逐次実行するコンピュータ)の概念では語れないもののようなのです。
たとえば、いまのノイマン型コンピュータでは数式 f(x) においてxを0~255に変化させた256パターンを計算する場合、256回ループを回すのが普通なんですけど、それが量子コンピュータでは引数として「0~255」というものを与えることが可能で、1回の計算で256パターンの解が得られるみたいなんですよね。そこが速さのキモ。しかも現在のGPUみたいな「256個の並列回路」でやっているわけではないんですよね。訳分からないですよね。
訳分からなさ過ぎて、本を買ってみました:
まだ届いてないので、読んだらまた記事を書きます。
なんか話を聞くだけで、私が今まで見聞きしてきた驚きの概念の中でも、ダントツになりそうな予感がします。今までCPU周りで聞いた驚きの概念は、
・ニューラルネットワークの誤差伝搬法
→コンピュータが推論マシンになる仕組みの基礎。これを積層すると今で言うディープラーニングマシンになる。
・RISCという概念
→命令体系をシンプルにして数を減らした方がトータルでは速いという驚き。(命令数が減るのでコードとしては肥大化するのに速い。)
・FPGAという仕組み
→プログラムで変更可能なハードウエア回路。
・Apple M1
→どちらかというと仕組みよりそれを本当に製品化してしまった方の驚き。しかも結構安定してるし。
あたりですが、これらはいずれもノイマン型の体系の上にあるのに対し(ニューラルネットワークは非ノイマン型に片足突っ込んでいますが)、量子コンピュータはなんと言っても完全な非ノイマン型ですからね。ついにコンピュータの形を持って現れてきた事にときめいております。
実は川崎のもの含め、量子コンピュータはまだ「命令の与え方」すら分かっていないようなのです。どういった処理を担って貰えるのか、まずその用途開発から始まるようです。
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