「スマホ脳」「スマホが学力を破壊する」を読んでみました

奇しくも近いタイミングで執筆された2冊のスマホ警鐘本を読んでみました。

「スマホが学力を破壊する」は妻が買ってきたもので、ニンテンドーDSの「脳トレ」の提唱者、川島隆太教授によるもの、「スマホ脳」の方はスウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンゼン医師によるものです。

「スマホが学力を破壊する」は主に小学生〜中学生においてスマホが生活、学力、精神の成長にどのような影響を与えたかを調査し、とても看過できない結果が見られたため警鐘の意味で執筆されたものです。調査のターゲットを主に小中学生に絞ってはいますが、多かれ少なかれそれ以上の世代にも似たような影響は見られるようです。

「スマホ脳」の方は人間の脳の仕組みと、SNS企業をはじめとするIT企業の戦略の両面からスマホが人間に与える影響を分析したもの。Facebookの「いいね」の通知タイミングは脳の報酬系が最大化するようにサーバー側でタイミング調整されている、というのは知りませんでした。確かに、「いいね」のタイミングは適宜ばらけるなとは思ってはいたのですが、てっきりサーバーの負荷都合かと思っていました。

どちらの本にも共通して書いてあることは、「IT企業(SNS企業含む)は脳への悪影響まで加味して現在の製品・サービスを提供しているわけではない」ということです。川島氏の方に至っては、もしかすると未成年へのスマホ禁止を法制度で本気で検討した方がいいかも知れない、というところにまで触れつつあります。単純に「スマホを弄っている分だけ勉強時間が減っているから」だけでは説明が付かない影響があるとのことです。

私は成人してからインターネットに触れたクチで、iPhoneに至っては中年を過ぎてからの経験ですが、そういった世代からは想像できない影響が、生まれながらにネットやスマホがある世代には生じているようなのです。特に、これから子供にスマホを与えようとしている親御さん、どちらかまたは両方の一読をお勧めします。

スマホは当面なくなることはないのだから、だったら子供の頃から使わせてスマホとの距離の取り方、スマホの生活への組み込み方を身につけた方がいいと私は思っていましたが、それ以前にそもそも子供の成長の阻害要因になるとなると、考えてしまいますね。法的に未成年へのスマホを禁止する時代が、来るのでしょうか。飲酒どころがドラッグに匹敵する脳への影響があるとのことなので、いっそ一斉に法的に止めてもらった方がスッキリする気がします。

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